EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説

EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説
EC通販において、欠かすことができないとても重要な役割を担う物流。
物流業務を効率化させることで、
商取引の円滑化や顧客満足度のさらなる向上が期待できます。

しかし、EC通販の物流にはさまざまな課題があります。
物流を円滑に進めるためには、課題解決に向けた改善が欠かせません。

この記事では、EC通販における物流の流れや課題、改善方法を解説します。

EC通販の物流を整備しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

EC通販の物流とは

EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説
EC通販の物流とは、
オンライン上での商品やサービス販売に関係する物流業務全般を指します。

EC通販の物流は、大きく「BtoB物流」「BtoC物流」の2種類に分類されます。
  • BtoB物流:メーカーや小売店舗向け
  • BtoC物流:一般消費者向け
物流は、顧客への商品配送はもちろん、
入荷や検品、ピッキングなども業務工程に含まれます。

特に、BtoC向けのEC通販では、取り扱う商品数が多く管理が煩雑化しやすいでしょう。
お客様からの信頼獲得や売上の拡大には、
物流業務の効率化はとても重要なポイントといえます。

EC通販における物流の特徴

EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説
EC通販における物流の特徴は、以下の3つです。
 
  1. 少ない物流と多岐にわたる配送先
  2. 配送時間や料金など個別対応が必要
  3. スピード配送や柔軟な受け取り方法が大切

少ない物流と多岐にわたる配送先

顧客1人あたりの購入件数は多くないため、
1回の送付量は少ない傾向にありますが、配送先は顧客によって多岐にわたります。
というのも、全国の消費者がインターネットにアクセスして商品を購入するからです。

北海道から沖縄まで、あらゆる地域から注文が入るため、
それぞれの顧客に満足してもらえるように配送にこだわる必要があります。

配送時間や料金など個別対応が必要

顧客の個別対応が必要であることも、EC通販における物流の特徴です。

希望する配送時間や割引クーポン使用の有無などによる商品代金の変化など、
顧客それぞれで細かく異なります。

商品の同梱物に関しても、
顧客のランクや購入回数によって変更するケースもあるでしょう。

これらの個別対応をスムーズに行うことで、顧客満足度の向上につながります。

物流をスムーズに行うために、
EC通販に特化した管理システムの導入も必要です。

スピード配送や柔軟な受け取り方法が大切

スピード配送や柔軟な受け取り方法の提供は、とても重要なポイントです。

EC通販で取り扱う商品数は豊富なため、
商品管理を適切に行い、スムーズな出荷がスピード配送につながります。

受け取り方法は自宅以外にもコンビニや専用の受け取りボックスなど、
顧客都合で指定される場合もあるでしょう。

スピード配送と柔軟な受け取り方法は、顧客満足度の向上に直結します。

EC通販における物流の流れ

EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説
EC通販における物流の流れを5ステップで解説します。
 
  1. 入荷・検品
  2. 保管
  3. 受注・ピッキング・検品
  4. 梱包
  5. 出荷

入荷・検品

まず、メーカーや商社から商品が倉庫へ入荷し、商品の検品を行います。
配送された商品の個数や種類、状態に問題はないか確認します。

検品作業に誤りがあると、想定外の在庫切れが発生しクレームにつながりかねません。

顧客に対する販売機会の損失や在庫状況のズレを避けるために、
入荷から検品の一連の作業は、何より正確さが求められます。

保管

検品した在庫は、倉庫の事前に決められた区分ごとに保管されます。
在庫の適切な保管は、注文時の出荷作業をスムーズに進めるために欠かせません。
傷つけず、より良い状態を維持する意味でも大切です。

適切に保管するために、商品の数量や品質はしっかりと確認しておきましょう。

受注・ピッキング・検品

ユーザーから注文が入り受注処理をしたら、ピッキングと検品をします。

受注処理では、注文完了の報告や決済方法の確認、
送り状の発行などさまざまな業務を行います。


受注処理後は、倉庫内から顧客の注文個数分だけ商品を取り出しましょう。
この業務をピッキングと言います。

そして、梱包前に個数やサイズ、傷や汚れ、異物混入はないかなど
多くの項目で検品作業を行います。

梱包

顧客の手元に商品が届くまでに、傷や破損がないように商品の梱包を行います。

梱包は、商品をより良い状態で確実に期日までに届けるためにとても重要な作業です。
いくら到着が早くても商品が破損していれば、顧客を不快にさせてしまうでしょう。

結果的に良い状態の商品を届けるまでに、さらに時間もかかります。

逆に、とても丁寧な梱包だと認識されれば顧客からの信頼度も高まり、
「またこのメーカーから商品を買おう」とリピーター獲得にもつながるでしょう。

出荷

梱包が完了したら商品を配送業者に引き渡し、顧客に商品を届けます。

引き渡し前に出荷場所ごとで商品を分けておきましょう。

また、顧客によって商品の受け取り方法はさまざまなので、
個別での柔軟な対応が必要です。

EC通販の物流が抱える課題

EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説
インターネットが普及する現代で大切なEC通販の物流には、8つの課題があります。
 
  1. 物流拠点・倉庫の確保
  2. 豊富な在庫管理の煩雑化
  3. 顧客ニーズの多様化
  4. 事業拡大に伴う物流コストの増大化
  5. 物流事業者の人材不足
  6. 作業ミスによる売上への影響
  7. 一般的に求められる最短納期
  8. 個人情報の厳重な取り扱い

物流拠点・倉庫の確保

販売する商品の種類が多い場合は、大規模な倉庫の確保が必要になります。

また、物流拠点の立地も大切です。
立地が悪いとメーカーからの納品や、顧客への出荷にも時間を要してしまいます。

豊富な在庫管理の煩雑化

EC通販で販売する商品やサービスの種類が多い場合は、
在庫管理が煩雑化しています。


そもそも商品数が多いだけでなく、
同一商品でもサイズや色などでバリエーションがあります。
その分商品数はさらに増えるため、在庫管理はさらに煩雑化します。

顧客ニーズの多様化

インターネットの普及によりEC通販の需要が増えると同時に、
顧客ニーズは多様化しています。


顧客が求める配送方法や配送時間、ギフトなど同梱物への対応と、
顧客への個別対応が重要です。

注文を受けてから単に梱包して出荷するのではなく、
あらゆる顧客ニーズに的確に対応しなければなりません。

事業拡大に伴う物流コストの増大化

社内リソースが不足していると、
事業拡大に伴い、より物流事業者の負担が大きくなり物流コストも増加してしまいます。

倉庫内のスタッフが少ない段階での事業拡大は、
業務が回らず、自社の成長に悪影響を与えてしまうかもしれません。

物流事業者の人材不足

物流事業者の人材不足は、EC通販事業者が抱えるとても大きな課題です。

倉庫内の作業者だけでなく、
配送を行うドライバーの人材不足も深刻化しています。

「スピード配送」や「ギフト注文」など多様化するニーズに対応しようとするあまり、
物流事業の人材不足はますます深刻化するでしょう。

作業ミスによる売上への影響

物流業務による一度の作業ミスは、企業にとって致命傷になりかねません。

消費者は、商品の届くスピードや状態などでEC通販を評価します。
一度のミスで「この企業はダメだ」と印象を決定づけるかもしれません。
一度の作業ミスで、商品購入のキャンセルや販売機会の損失などにつながります。

一般的に求められる最短納期

現在、最短納期での配送は一般的に求められており、顧客満足度に影響します。

顧客の手元に商品が届くまでが早ければ満足され、
時間がかかると不満やクレームにつながりかねません。

しかし、受注から発送までさまざまな業務があり、時間がかかりやすいため、
最短納期での発送は事業者にとって大きな負担となるでしょう。

個人情報の厳重な取り扱い

個人情報の厳重な取り扱いもEC通販が抱える課題の1つです。
顧客との商取引では、さまざまな個人情報を取り扱います。

個人情報の漏洩は顧客からの信頼喪失による売上減少など、
企業への大きなダメージにつながりかねません。


管理方法や使い方など、個人情報には厳重な取り扱いが求められます。

EC通販の物流を改善する方法

EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説
では、EC通販の物流が抱える課題の改善方法を3つ紹介します。
 
  1. 物流業務全体を俯瞰してみる
  2. 物流業務のフローを見直す
  3. 物流をアウトソーシングする

物流業務全体を俯瞰してみる

課題を改善させるには、まず物流業務全体を俯瞰してみることが大切です。
すると、物流業務を進めていく上での支障となる部分が把握できます。

自社の課題や業務の支障となる部分を把握することで、改善策を立てられるでしょう。

物流業務のフローを見直す

課題を洗い出し改善策が立てられたら、物流業務のフローを見直しましょう。

支障が出ている業務を円滑に進めるための方法を検討し、
業務フローを再度構築してください。

物流業務のフローを再構築することで業務効率化が図れます。

ただし、業務フローを見直せば必ず成果が出るというわけではありません。

定期的に効果が出ているかを確認し、
効果が表れていない場合はその都度業務フローを見直す必要があります。

物流をアウトソーシングする

物流のアウトソーシングは、課題の改善に最も効果を期待できるでしょう。
なぜなら、物流のプロが自社の業務を代行して行うからです。

物流をアウトソーシングすることで自社のスタッフは、
重要なマーケティング施策や販促施策の立案などのコア業務に集中できます。

また、物流のアウトソーシングは人材不足の問題解決にもつながります。

まとめ:EC通販の物流をアウトソーシングして業務効率化を図ろう

EC通販の物流とは? 3つの特徴や現状抱える課題と改善策を解説
EC通販における物流とは、
オンライン上での商品やサービス販売に関する物流業務全般を指します。

EC通販の物流はさまざまな課題を抱えていますが、
改善させることで取引を円滑に行い、顧客満足度の向上が期待できます。

そこで、EC通販の物流を改善するには専門業者へのアウトソーシングが効果的です。

現状の課題を洗い出し、EC通販の物流をアウトソーシングすることで、
業務効率化を図りましょう。