EC通販で活用するチラシのABテストの実施手順!得られる効果も解説

EC通販で活用するチラシのABテストの実施手順!得られる効果も解説
「EC通販で同梱するチラシをより効果的にしたい」
「EC通販チラシでABテストを実施する手順を知りたい」

このように悩みを抱くEC通販担当者もいるのではないでしょうか。

EC通販において、チラシの同梱は非常に大切です。
良質なチラシなら、ユーザーから多くのレスポンスを得られるでしょう。

しかし、一度の実践でユーザーの興味を惹きつけられるとは限りません。
訴求内容を変えたクリエイティブのABテストを実施し、
繰り返し効果検証することが大切です。

そこでこの記事では、
EC通販におけるチラシのABテスト実施手順を5ステップで解説します。
ABテストにより得られる効果についても解説しますので、
ぜひ参考にしてください。

EC通販の同梱チラシのABテストとは?

EC通販で活用するチラシのABテストの実施手順!得られる効果も解説
EC通販で同梱するチラシのABテストとは、同じ条件で2種類(以上)のチラシを配布し、
どちらが良い反応を得られるか検証する手法です。


もし、同封したチラシからの反応率が好ましくなかった場合。
結果が良くなかったことは分かっても、
効果を高めるために改善すべきポイントの特定は容易ではありません。

チラシのキャッチコピーやデザイン、訴求する商品やオファーに原因があるのか、
さまざまな可能性が想定されます。

そこで、仮説をもとにAとBの2種類のチラシを用意して効果検証すれば、
得られた結果を元に改善策を講じることができます。

ABテストの実施により、EC通販での売上向上に直結させられるでしょう。

EC通販におけるチラシのABテスト実施手順5ステップ

EC通販で活用するチラシのABテストの実施手順!得られる効果も解説
では、EC通販で同梱するチラシのABテスト実施手順を5ステップで解説します。
 
  1. 目的を明確にする
  2. 仮説を立てる
  3. ABテストを実施する
  4. テスト結果を検証する
  5. 検証結果をもとに再度仮説を立てる

目的を明確にする

まず、ABテストを行う目的を明確にすることが大切です。

例えば、以下のような目的が挙げられます。
  • 一押し商品の売上アップを図りたい
  • チラシとサンプルを同梱して、新商品の購入数を増やしたい
このように目的を明確にすることで、より効果的な検証ができるでしょう。

仮説を立てる

次に、どのようなチラシを制作すれば購入につながるか仮説を立てましょう。

「金額のお得さよりも、得られる効果を推すべきではないか?」
「テキストよりも画像が多めの方が惹きつけられるのではないか?」

このような仮説を立ててみてください。

ABテストを実施する

仮説を立てたら、2種類のチラシを制作しABテストを実施します。
実施の際は、優先順位の高い仮説からテストを行うようにしましょう。

ABテスト実施例は、以下のとおりです。
  • 金額のお得さを全面にアピールしたチラシA
  • 得られる効果を全面にアピールしたチラシB
なお、正確な結果を得るためには、その他の条件は変えてはいけません。
媒体や配布数、配布時期など、まったく同じ条件で2種類のチラシを配布しましょう。

テスト結果を検証する

ABテスト実施後は、チラシの反応率から結果の検証を行いましょう。

チラシの反応率は「レスポンス件数 ÷ 配布数 × 100」で算出できます。 
 
  • 金額のお得さを全面にアピールしたチラシA
     →レスポンス5件 ÷ 配布数100枚 × 100 = 反応率5%
  • 得られる効果を全面にアピールしたチラシB
     →レスポンス20件 ÷ 配布数100枚 × 100 = 反応率20%
反応率を算出したら、最初に立てた仮説が立証されたかを確認します。
もし上記の結果なら、仮説通りでチラシBの方が有効だと言えるでしょう。

なお、仮説は必ずしも立証できるとは限りません。
もし仮説通りの結果が得られなかった場合は、
他に要因が考えられるため、さらに分析が必要です。

検証結果をもとに再度仮説を立てる

検証結果が得られたら、効果の高いチラシBの内容を採用して再度仮説を立てます。

効果のあったチラシBを軸に、さらに反応率を高めるために必要なことは何か、
別の仮説を立てて再度2種類で実施し、効果を検証します。

2回目のABテスト実施例は、以下のとおりです。
  1. 得られる効果を全面にアピールし、商品画像を大きく配置したチラシB1
  2. 得られる効果を全面にアピールし、商品イラストを大きく配置したチラシB2
このように、ABテストは一度では完結しません。

繰り返し実行することで、より効果が高い理想的なチラシに近づけるでしょう。

EC通販チラシのABテストによる効果

EC通販で活用するチラシのABテストの実施手順!得られる効果も解説
EC通販チラシのABテストには、以下3つの効果があります。
 
  • レスポンス率の向上が期待できる
  • リピーターの獲得につながる
  • 費用対効果を高められる

レスポンス率の向上が期待できる

1つ目の効果は、レスポンス率の向上です。

EC通販は、ユーザーが実際に商品を手に取って選べません。
だからこそ、チラシの訴求次第でユーザー行動に大きな影響を与えます。

ただし、ユーザーが求めていない情報を掲載したチラシでは反応は見込めません。

ABテストの実施で、よりユーザーに適切なチラシにアップデートできれば、
レスポンス率向上につながります。

リピーターの獲得につながる

2つ目の効果は、リピーターの獲得です。

そもそも、EC通販での商品購入に少なからず不安を抱えている人も多いでしょう。
そこで不安を払拭する情報を掲載したチラシを同梱することにより、
ユーザーに安心感を抱いてもらえます。

しかも、ABテストの実施でユーザー思考を考慮したチラシ制作ができれば、
より信頼性アップ、反応率アップが期待できます。

継続的な売上増加のためには、リピーターの獲得は欠かせません。
ABテストを行い、ユーザーのニーズをしっかり把握して
多くのリピーター獲得を目指しましょう。

費用対効果を高められる

3つ目の効果は、費用対効果を高めることです。

ABテストは、既存のチラシ内容の条件を変更して効果検証を行います。

費用を抑えつつ改善し続けることで、
徐々により効果的なチラシになっていきますので、費用対効果を高められます。

EC通販のチラシにおけるABテスト実施の注意点

EC通販で活用するチラシのABテストの実施手順!得られる効果も解説
では最後に、EC通販のチラシにおけるABテスト実施の注意点を解説します。
 
  1. 一度のテストで比較するポイントは1つに絞る
  2. 実施条件は統一して検証する
  3. カスタマージャーニーを考える
  4. テスト結果を集計しやすい状態にする
  5. 繰り返しテストを実施する

一度のテストで比較するポイントは1つに絞る

まず、一度にテストする比較項目は、1つに絞りましょう。
複数の比較項目があると、本当に影響を与えた点が分からなくなってしまうからです。

具体例として、下記の条件でABテストを実施したとします。
 
  • 画像なしで金額のお得さを全面にアピールしたチラシA
  • 画像付きで得られる効果を全面にアピールしたチラシB
もし、この検証で仮にチラシBが良かったとしても、
その要因が画像なのか効果の記載なのか分かりません。

正確な検証結果を得るために、比較する項目は1つに絞って、実施しましょう。

実施条件は統一して検証する

ABテストの実施条件は、統一して検証しましょう。

統一すべき条件の例は、以下のとおりです。
  • 地域
  • 年齢
  • 性別
  • 部数
  • 時期
まったく同じ条件での実施は困難でも、
条件をより近づけることでより正確な検証が行えます。

カスタマージャーニーを考える

カスタマージャーニーを考えることも大切です。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品の認知から購入に至るまでのプロセスを指します。

顧客の行動を考えることで、自社の課題と効果的な施策が発見できます

顧客心理に寄り添ったチラシでなければ効果は期待できません。
よって、必ずABテスト実施前にカスタマージャーニーを考えましょう。

テスト結果を集計しやすい状態にする

テストを行うにあたって、集計しやすい状態を整える必要があります。

AとBでチラシのレスポンス率が混在してしまっては、正確な分析ができません。

主な対策は、以下のとおりです。
  • チラシAとBにそれぞれ媒体番号を付け、注文時に番号を入力してもらう
  • チラシAとBで、注文先の電話番号を変える
集計しやすい状態をつくり、正確な分析でチラシの効果を効率的に高めましょう。

繰り返しテストを実施する

ABテストは、一度で終わらずに繰り返し実施することが重要です。

一度のテストでは、チラシの効果を最大化するために必要なことは何か把握できません。
また、時代のニーズやターゲット、配布エリアなど、複数の要因で効果は変わります。

繰り返しテストを行い、効果の高いチラシ作成に努めましょう。

まとめ:EC通販のチラシ配布のABテストで反応率を高めよう

EC通販で活用するチラシのABテストの実施手順!得られる効果も解説
EC通販にとって、チラシは大きな効果が期待できる媒体です。
ユーザーにとってより良いチラシ制作をするには、実際に検証するしかありません。

そこで、正しいABテストを継続できれば、
その結果をもとに、さらに効果的な反応率の高いチラシが制作できます。


注意点を踏まえて正しい手順でABテストを実施し、チラシの反応率を高めましょう。