アップセルとクロスセルの違いについて効果とともに網羅解説!

アップセルとクロスセルの違いについて効果とともに網羅解説!
「アップセルとクロスセルの違いは何?」
「それぞれについて事例も踏まえて知りたい」

このような悩みを抱えている通販事業者の方もいるのではないでしょうか。

結論、アップセルとクロスセルの違いは達成までのアプローチにあります。
とはいえ、顧客単価の向上といった活用目的は変わりません。
だからこそ、両者の違いについて正しく理解しておく必要があります。

この記事では、アップセルとクロスセルの違いやその効果と提案するタイミングについて
解説します。

適切なタイミングで提案をすれば顧客単価の向上につながるので、ぜひ参考にしてください。

アップセルやクロスセル・ダウンセルとは?

アップセルとクロスセルの違いについて効果とともに網羅解説!
では早速、アップセルとクロスセル、ダウンセルについて解説していきます。

アップセルとは

アップセルとは、顧客が現在利用している商品やサービスより上位モデルを提案し、
顧客単価アップを図る手段です。


成功させるには上位の商品やサービスに興味を持ってもらう必要があり、
興味がない状態で提案をしても購入にはつながりません。

購入のきっかけを与えるために、現在利用している商品・サービスより上位の商品の方が、
ニーズを満たす可能性があることを顧客に示しましょう。

クロスセルとは

クロスセルとは、顧客が購入を検討している商品やサービスに関連するものを提案し、
顧客単価アップにつなげる手段です。


顧客が購入を検討している商品やサービスと組み合わせて利用することで、
価値を生み出せるものを提案しましょう。

そうすることで、購入につながり収益を増やすことができます。

ダウンセルとは

ダウンセルとは、アップセルとは反対に現在の商品よりも下位モデルを提案する手法のこと。

顧客ニーズよりも高額あるいは高性能の商品は、継続利用が困難になり、
最悪の場合解約などの顧客離れにつながりかねません。

ダウンセルの例として、下位プランへの変更や一部オプションの解約などが挙げられます。

ダウンセルは顧客離れを避け、継続利用してもらうために重要な戦略となります。
顧客をつなぎとめ関係性を構築することで、その後のアップセルにつなげる目的もあります。

顧客の活用状況を把握し、活用状況に合わせた適切な提案を行いましょう。

アップセルとクロスセルの違い

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アップセルとクロスセルにおける最大の違いは、達成までのアプローチ方法です。

アップセルは同一の商品・サービスより、高額商品の購入や上位プランへの移行を促す方法です。

その一方、クロスセルはその商品と関連している別の商品・サービスを提案し、購入を促します。

どちらも既存の顧客に有効な手段で、顧客単価の向上という目的は変わりません。

それぞれの違いを理解し適切な活用をすることで、効率的な顧客単価の向上につながります。

アップセルとクロスセルによる効果

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アップセルとクロスセルによる効果は、以下の4つです。
 

  1. 顧客単価を高められる
  2. 営業効率アップが見込める
  3. 顧客満足度アップを期待できる
  4. リピーター獲得につながる

顧客単価を高められる

1つ目の効果は、顧客単価を高められることです。

アップセルでは1回の購入金額の増加、クロスセルでは購入数の増加により顧客単価が向上します。

新規顧客の獲得にかかるコストは既存顧客の5倍と言われていますが、
アップセルとクロスセルは既存顧客へのアプローチ方法です。

そのため、低コストで顧客単価を高められる最善の方法となっています。

営業効率アップが見込める

2つ目の効果は、営業効率アップが見込めることです。

商品の営業を1度の機会でまとめて行うため、コストを抑えつつ効率的な営業が見込めます。

個々の商品ごとに営業を行うと、その分営業の回数とコストは増えてしまいます。

アップセルとクロスセルを活用し、営業効率をアップさせましょう。

顧客満足度アップを期待できる

3つ目の効果は、顧客満足度アップを期待できることです。

現在利用している商品よりも顧客ニーズを満たせる提案をすることで、
顧客満足度の向上につながります。

アップセルとクロスセルで顧客満足度をアップさせるには、適切な提案が必須です。
顧客のニーズと動向を逐一把握することが大切です。

リピーター獲得につながる

4つ目の効果は、リピーターの獲得につながることです。

顧客満足度を高め自社のファンになってもらうことで、リピートして商品やサービスを
購入してもらえます。

アップセルとクロスセルで提案する商品・サービスは、顧客にとって必ず役に立ち、
ニーズを満たすことのできるものです。
そのため、購入後の満足度は高く、企業のイメージ向上にもつながります。

全体的なイメージの向上やロイヤリティの向上は、リピートで購入してもらうために
大切な要素となります。

アップセルやクロスセルの効果を最大化するポイント

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アップセルとクロスセルの効果を最大化するためには、以下3つのポイントを抑えましょう。
 

  1. 顧客のリアルな声や心理に寄り添う
  2. 顧客ターゲットの優先順位をつける
  3. 事前にシミュレーションを重ねる

顧客のリアルな声や心理に寄り添う

顧客の視点で考えることは、アップセルとクロスセルの効果を最大化させるには欠かせません。

顧客のリアルな声や心理に寄り添い、ターゲットとしている顧客は何を求めているのか把握しましょう。

求めていない商品やサービスの提案では成功はしませんし、
かえって不満やクレームの原因となってしまう可能性があります。

顧客ターゲットの優先順位をつける

顧客ターゲットを絞り優先順位をつけることで、効率的に営業を行い効果を最大限発揮できます。

すべての顧客にアップセルとクロスセルを行うのは理想的な方法ではあります。
ですが、ロイヤリティの低い顧客に提案を行ったとしても成功する可能性は低いでしょう。

ロイヤリティの高い顧客から優先的に提案を行うことで、効率的にアップセルとクロスセルの効果を
最大化することができます。

事前にシミュレーションを重ねる

顧客データを分析し、分析したデータをもとに提案前にシミュレーションを行いましょう。

シミュレーションで出た結果を考察し、再度検証を行います。
繰り返し検証を続けることで顧客に求められているものを把握でき、
その結果顧客ニーズに沿った提案が実現するのです。


顧客ニーズに沿った提案が、アップセルとクロスセルの成功率を高める大きな要素となります。

アップセルとクロスセルを提案する最適なタイミング

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アップセルとクロスセルには、それぞれ提案する最適なタイミングがあります。
成功率の向上を実現させるために、それぞれの提案タイミングを把握しておきましょう。

アップセルの提案タイミング

アップセルは、上位商品やサービスに移行することで解決できる問題が発生したときや、
移行することで顧客ニーズを満たすことのできる場合に提案します。

そのほか、契約の更新をするタイミングにも最適です。

また、上位プランの移行以外にも別オプションの紹介などを行うことで、
顧客が抱えている新しい問題を解決できるケースもあります。

クロスセルの提案タイミング

クロスセルは、顧客が商品やサービスの購入あるいは継続利用を決めたタイミングや、
別の商品で解決できる問題が発生したタイミングで提案します。

購入を検討しているタイミングよりも、購入を決めた後に提案を行うのが効果的です。

その商品の関連商品を追加購入することで、より便利や快適になる場合に
顧客は購入を検討できるでしょう。

アップセルとクロスセルの施策例

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では最後に、アップセルとクロスセルの実際の施策例を紹介します。
 

  • アップセル:プロ球団ヤクルト
  • クロスセル:Amazon

アップセル:プロ球団ヤクルト

プロ球団ヤクルトには、Swallows CREWという会員制度があります。
会員制度は、以下5つのランクで分類されています。
 

  • プラチナ会員
  • ゴールド会員
  • レギュラー会員
  • キッズ会員
  • ライト会員

Swallows CREWに入会すると特典として記念品やユニフォームがもらえます。

顧客満足度調査を実施したところ、この特典が顧客満足度の向上につながっていることが
判明しました。

そのため、ヤクルト球団はプラチナ会員とゴールド会員に入会した方に、
パーカーやTシャツをプレゼントしたのです。

そうすることで、ヤクルト球団は顧客満足度を向上させ両会員とも定員に達し、
アップセルを成功させています。

クロスセル:Amazon

世界最大級のECモールであるAmazonでは、商品を検索すると
その商品に関連した商品も表示される仕組みになっています。

検索した商品と他のユーザーが一緒に購入した商品も同時に表示されるので、
自分以外の人も購入しているという安心感が購入につながるのです。

関連商品の表示を活用し、Amazonは収益の35%をクロスセルにより獲得しています。

まとめ:アップセルとクロスセルの活用で顧客生涯価値を向上させよう

アップセルとクロスセルの違いについて効果とともに網羅解説!

アップセルとクロスセルの違いは達成までのアプローチ方法ですが、どちらも顧客単価を向上させる目的であることに変わりません。

しかしアプローチ方法が異なるため、それぞれの手法について適切な理解が必要です。
ぜひ本記事を参考にアップセルとクロスセルを活用し、顧客生涯価値を向上させましょう。