単品リピート通販とは？メリット・デメリットを解説

単品リピート通販とは、特定のブランドや特定の商品のみを販売するEC通販事業の
ビジネスモデルであり、リピート購入を軸に売上を形成します。
リピート購入が前提であるため、化粧品や健康食品などの定期購入に至りやすい商品を
扱うのが一般的です。

同じEC通販でも、単品リピート通販と総合通販ではさまざまな違いがあります。
総合通販とは、Amazonや楽天市場などの、
さまざまなメーカーの商品を展開するビジネスモデルを指します。
メーカーが総合通販に出店する場合、総合通販特有の高い集客力を利用し顧客を集められます。
ただデメリットもあり、仲介料や手数料により利益が圧迫されたり、
EC通販サイトの規約によりビジネスに制限が加えられたりします。
単品リピート通販では、基本的に自社商品のみを扱う専用のEC通販サイトを用いるため、
成功すれば高い粗利率を実現し、自由にビジネスを展開できます。

単品リピート通販は、既存顧客へのアプローチに向いているビジネスモデルです。
昨今の日本ではさまざま商品が発売されており、総合通販を用いれば店頭に出向くことなく
目当ての商品を購入できるようになりました。
商品で満たされている日本において、新規顧客獲得のハードルは高まっています。
マーケティング業界では、「新規顧客の獲得」には「既存顧客の維持」の5倍のコストが
必要だと考えられています。
裏を返せば、「既存顧客の維持」は「新規顧客の獲得」に対して5倍の費用対効果を見込めるため、
効率的に売上を形成するには既存顧客へのアプローチが最適です。
単品リピート通販は、「既存顧客の維持」に集中したビジネスモデルであるため、
少ないコストで売上を築けます。

良くも悪くも、単品リピート通販で扱われる商材は限定されます。
というのも、リピート購入が前提であるため、
リピート購入に至りにくい商材ではビジネスが成立しないからです。

単品リピート通販に向いている商材は、健康食品や化粧品などの消耗品です。
リピート購入に至りやすい商材の特徴は、
一定のペースで消耗し、数か月に1回程度で使い切る容量であることです。
一定のペースで消耗する商材ならば、メーカーが顧客の消費状況を把握しやすいため、
フォローメールなどのアプローチのしやすさでアドバンテージがあります。
また、少なくとも数か月に1回程度でリピートに至る商品でなければ、
リピート購入の頻度が低すぎるため売り上げを形成できません。

基本的に単品リピート通販では、自社商品のみを扱います。
自社以外の商品も扱うとなると、
後述する単品リピート通販のメリットを活かしにくくなるためです。
自社のみの商品を販売し、EC通販サイトの運営も一貫することで、
自由にビジネスを展開できることが、単品リピート通販の強みです。

単品通販リピートには、扱う商品を限定しているからこそのメリットがあります。
ここでは、注目すべきメリットを3つご紹介します。
 

1. 小規模からはじめやすい
2. 価格競争に巻き込まれにくい
3. 管理コストを抑えられる

1つ目のメリットは「小規模からはじめやすいこと」です。
単品リピート通販は、1つのブランド、1つの商品のみでビジネスを展開します。
そのため、在庫管理やEC通販サイトの設計など、さまざまな工程が比較的容易に完結します。
初期費用にも多くの資金を必要としないため、小規模からでも問題なくはじめられます。

2つ目のメリットは「価格競争に巻き込まれにくいこと」です。
総合通販の場合、さまざまなメーカーから同じジャンルの商品が販売されます。
競争を勝ち抜いて顧客に購入してもらうとなると、価格競争を避けることは難しいでしょう。
単品リピート通販の場合、自社の商品しか展開しないため、サイト内で価格競争が発生しません。

3つ目のメリットは「管理コストを抑えられること」です。
単品リピート通販は、売り上げの大部分をリピート購入が占めるため、
売上予想を立てやすい傾向にあります。
計画的に商品を生産しやすく、無駄なく管理を行えます。

単品リピート通販にはさまざまなメリットがありますが、デメリットがあるのも事実です。
ここでは主なデメリットを2つご紹介します。
 

1. 新規顧客獲得のハードルが高い
2. ターゲットが限定される

1つ目のデメリットは「新規顧客獲得のハードルが高いこと」です。
単品リピート通販はリピート購入により売上の大部分を形成しますが、
そもそも新規顧客を獲得できなければ、リピーターも獲得できません。
認知拡大を果たし、自社EC通販サイトに集客する必要があります。
インフルエンサーマーケティング、SNS運用などを通じた、
新規顧客獲得のステップが要求されます。

2つ目のデメリットは「ターゲットが限定されること」です。
単品リピート通販では、自社のオリジナル商品のみを販売するため、ターゲットが限定されます。
集客できる母数が大きくはないため、効率よくターゲット層を獲得していくことが要求されます。

単品リピート通販を成功させるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
ここでは特に意識したいポイントを4つご紹介します。
 

1. 適した商材を扱う
2. リピート購入につなげる工夫を打ち出す
3. アップセル・クロスセルに取り組む
4. カートシステム・決済手段を充実させる

1つ目のポイントは「適した商材を扱うこと」です。
適した商材を扱わなければ、単品リピート通販のメリットを活かせません。
単品リピート通販に適している商材は、定期的な購入を見込める消耗品です。
なかでも化粧品や健康食品はブランディングで差別化を図りやすいため、
単品リピート通販で扱いやすい商材です。

2つ目のポイントは「リピート購入につなげる工夫を打ち出すこと」です。
単品リピート通販は、新規顧客獲得が難しく、既存顧客のリピーター化が重要な
ビジネスモデルです。
うまく定期的購入につなげれられるかがビジネス成功のカギとなります。
ポイント制度や割引クーポン発行などのロイヤルティプログラムを用意し、
リピート購入に付加価値を付けましょう。

3つ目のポイントは「アップセル・クロスセルに取り組むこと」です。
複数の商品を扱う単品リピート通販ならば、アップセル・クロスセルが有効です。

アップセルとは、顧客が購入する商品よりも、より高額な上位の商品を購入してもらうことです。
複数のランクの商品を展開することで、顧客に選択肢を与えつつ、商品に付加価値を持たせられます。
クロスセルとは、顧客が購入する商品に関連する他の商品を購入してもらうことです。
化粧品などの複数の商品をセットで用いる商材ならばクロスセルが特に有効です。

4つ目のポイントは「カートシステム・決済手段を充実させること」です。
単品リピート通販では、限られたターゲット層から新規顧客を獲得し、
リピーター化してもらうことでビジネスが成功します。
少ないチャンスをものにするためには、決済面でのデメリットも排除しましょう。
カートシステムで購入をスムーズ化したり、クレジット決済に対応したりすることで、
顧客に快適な決済を提供できます。

今回は単品リピート通販について解説しました。
単品リピート通販には、総合通販にはないメリットがいくつもあります。
ただデメリットもあるため、新たに単品リピート通販をはじめる場合は慎重に検討しましょう。