LTVが最大化している状態とは?LTVを高める方法

LTVが最大化している状態とは?LTVを高める方法
新規顧客の獲得が困難になったEC通販業界では、LTVの最大化による売上アップに期待が集まっています。
ただ、いざLTVを最大化させたくても具体的に何をすればいいかわからず困っている方は多いでしょう。
この記事では、LTVが最大化している状態やLTVを最大化させる方法について解説します。

LTVとは

LTVが最大化している状態とは?LTVを高める方法
LTVとは「Life Time Value」の略であり、日本語の意味は「顧客生涯価値」です。
顧客がはじめて商品を購入してから、商品を購入しなくなるまでに、
どれくらいの価値を提供してくれるのかを表します。
昨今激しい競争が起きているEC通販事業において、新規顧客の獲得は難しくなりました。
そのため、一人あたりの顧客からの価値を高めるLTVの考え方に注目が集まっています。

LTVを最大化させる重要性

LTVを最大化させることが重要な理由は、既存顧客にアプローチすることで効率的に売上を伸ばせるからです。
現在の日本は、さまざまな商品が発売され尽くしており、市場は成熟状態にあります。
一方で少子高齢化の影響で需要は低下しているとも考えられるため、
限られた数の顧客に対して多くの企業がアプローチしています。
当然、新規顧客の獲得は困難であり、売上を上げるには既存顧客へのアプローチが重要です。

一般的には既存顧客との関係維持に必要なコストは、
新規顧客獲得に必要なコストの5分の1程度と考えられています。
少ないコストで売上を伸ばすマーケティング手法として、
既存顧客からの売り上げを伸ばすLTVの最大化に注目が集まっています。

LTVの計算方法

LTVを最大化させるためには、そもそもLTVの計算方法を理解しておく必要があります。
LTVの計算方法は以下のとおりです。
「LTV=顧客単価×粗利率×購入頻度×購入期間-コスト」

たとえば、
  • 1回の購入あたりの単価が10,000円
  • 粗利率が30%
  • 購入頻度が年間6回
  • 購入期間が5年
  • 販促に費やしたコストが10,000円
である顧客のLTVは以下の計算方法で算出できます。
「10,000円×30%×6回×5年-10,000円=80,000円」
この場合はLTVは80,000円です。

LTVが最大化している状態とは?

LTVが最大化している状態とは?LTVを高める方法
LTVの最大化を目指すにしても、そもそLTVが最大化している状態を理解しておかなければ、
対策を打ち出すこともできません。
LTVが最大化している状態とは、以下の4点を満たしている状態を指します。
  1. 客単価が高い
  2. 粗利率が高い
  3. 購入頻度が高い
  4. 購入期間が長い

1.客単価が高い

1つ目は「客単価が高い状態」です。
客単価とは、その顧客が1回の購入で支払う平均金額です。
EC通販においては、「高額の商品を購入する」もしくは「多くの商品を購入する」場合に、
客単価が高いと判断できます。

2.粗利率が高い

2つ目は「粗利率が高い状態」です。
粗利率とは、「売上における利益の割合」であり、数値が高いほど企業にとってプラスです。
原価に対して高額で販売される商品は、粗利率が高いと評価できます。

3.購入頻度が高い

3つ目は「購入頻度が高い状態」です。
購入頻度が高ければ売上の総額が増えるため、LTVはアップします。
健康食品や化粧品などの定期的に消費する商品では、購入頻度の上限がある程度決まっています。
取り扱う商品のジャンルから想定される最大の購入頻度である状態が、
LTVが最大化している状態に必要な要素です。

4.購入期間が長い

4つ目は「購入期間が長い状態」です。
当然購入期間が長ければ長いほど、LTVは高まります。
ここまで紹介してきた4つの要素のなかでもコントロールしやすく、LTVを向上させやすい要素です。

LTVを最大化させる方法

LTVが最大化している状態とは?LTVを高める方法
ここまででLTVが最大化している状態について解説しました。
つづいて、LTVを最大化させる4つの方法をご紹介します。
  1. 客単価を高める
  2. 粗利率を高める
  3. 購入頻度を高める
  4. 購入期間を延ばす

1.客単価を高める

1つ目は「客単価を高めること」です。
客単価を高めるには、「高額の商品を購入してもらう」もしくは
「多くの商品を購入してもらう」取り組みが問われます。
高額の商品を購入してもらうにはアップセルが効果的です。
アップセルとは、顧客が購入していた商品よりも一段階高性能で高額の商品を提案することです。
ただ商品を押し売りするのではなく、顧客の状況を踏まえて一段階上の商品を提案しましょう。
多くの商品を購入するには、クロスセルを活用しましょう。
クロスセルとは、顧客が購入する商品と関連している商品を提案することです。
同ブランド、同コンセプトの商品を提案し、セットで使う利点を紹介しましょう。

2.粗利率を高める

2つ目は「粗利率を高めること」です。
粗利率を高めるには、販売価格の底上げを行いましょう。
ただ価格を上げるだけでは顧客が不満に感じてしまうため、価格を上げても満足してもらう工夫が必要です。
たとえば、ブランドを育成すれば高額の商品だとしても顧客に満足して購入してもらえます。
「使うことで承認欲求が満たされる商品」、「所持・使用することでステータスになる商品」、
「SDGsに関連する商品」など、顧客の感情にアプローチできるブランドを作り上げられれば、
多少高額の商品でも購入に至る確率が高まります。
アンケート調査で顧客がブランドに対してどのような感情を持っているかを調査し、その感情を強められる商品・ブランドに育てましょう。

3.購入頻度を高める

3つ目は「購入頻度を高めること」です。
購入頻度を高めるには、顧客が買いたいと感じた瞬間を見逃さずにフォローすることが大切です。
たとえば化粧品や健康食品の場合、使用量から逆算して商品を使い切るタイミングを予想できるでしょう。
商品を使い切りそうなタイミングを予想し、メールやDMなどでアプローチを行うことで
購入頻度を高められます。

4.購入期間を延ばす

4つ目は「購入期間を延ばすこと」です。
購入期間を延ばすには、商品の価値を長期間感じつづけてもらう必要があります。
ここで有効な対策は、顧客をブランドのファンにすることです。
顧客のファン化を図るには、魅力的に感じられるブランドを作り、そのブランド価値を伝えましょう。
ブランドが誕生した背景やブランドに関するストーリーを掲載・発信することで、
顧客をブランドのファンにさせられます。

LTVの最大化を図る際の注意点

LTVが最大化している状態とは?LTVを高める方法
LTVの最大化を成功させるには、主に2つの注意点があります。
  1. 短期的には売上が下がる可能性がある
  2. データの蓄積・分析が欠かせない

1.短期的には売上が下がる可能性がある

1つ目の注意点は「短期的には売上が下がる可能性があること」です。
ここまで解説してきたとおり、LTVを最大化させるには顧客満足度を高めたり
ブランドを育てたりするなどの取り組みを行う必要があります。
当然、それらの取り組みを短期的に達成することは難しく、
むしろしばらくの間は売上にマイナス影響を及ぼすケースもあります。
そこで取り組みをストップしてしまうと、LTVの最大化は図れません。
長期的な目線でLTVの最大化に向けた取り組みを行いましょう。

2.データの蓄積・分析が欠かせない

2つ目の注意点は「データの蓄積・分析が欠かせないこと」です。
LTVにはさまざまな要素が関係しており、LTVの向上を数値化することは簡単ではありません。
そのため、担当者の経験則でLTVがいかに向上しているかを判断してしまうことがあります。
それではLTVの推移を正確に把握することは難しく、立案する対策の精度も高まりません。
また担当者が変わった際に、方向性を引き継げなくなってしまいます。
効率的にLTV最大化に向けて取り組むために、データを蓄積し分析できるツールやサービスを駆使しましょう。

まとめ:LTVの最大化により売上UP!

LTVが最大化している状態とは?LTVを高める方法
今回はLTVの最大化について紹介しました。
LTVを最大化させるには、顧客満足度の向上やブランドの育成など、
さまざまな取り組みを行う必要があります。
また、LTVを最大化させるにはデータを分析するツールやサービスの活用が重要です。